脂漏性湿疹、掌せきのう疱症
「けったいな病気!」と思うのが、これらの皮膚病です。
脂漏性湿疹は、水虫の親戚の菌が原因なのに、なぜか発疹ができる病気だと言われています。5〜6年前から菌に対しての薬を使うようになりましたが、確かに改善します。でも、しばらく薬を止めると赤みが増してきます。鼻の横やおでこにできる人が多いようです。菌が原因なのに、見た目はそんなふうには見えません。湿疹の薬と菌の薬を使い分けながら治療します。
症状には季節的な変動があるようです。冬の時期は自然に軽快することが多く、皮膚の分泌物の量や内容と、菌の成育状況、それに対する皮膚の反応などのバランスで炎症の程度が変るのではないかと思います。
掌せきのう疱症も変った病気で、水虫と見分けがつきにくいのですが、水虫の菌は直接の関係はないようです。虫歯の詰め物が原因のこともあります。まさか歯の詰め物が、手足に影響するなんて考えてもみませんでした。重症の場合には歯の金属を入れ替えると良くなることもあるそうですが、実際にそうすると歯の治療代が相当かかります。今は保険が効かない金属に保険が使えるようになると良いのですが。
軽い場合は湿疹の薬できれいになることもあります。ビオチンが有効だと言う発表もあります。
見た目で水虫との区別を100%できる人は、おそらく皮膚科の先生でもいないのではないかと思います。水疱の分布などに微妙な差はあるようですが、両者が合併するとわけが分らなくなります。したがって、菌の有無の検査を怠ってはいけないことになります。
皮膚病は思わぬものが原因のことがあり、内科だけで判断できない場合もあります。定評のある皮膚科と相談しながら治療していかざるをえません。