2020年に東京で開催予定の夏季オリンピック。今生の思い出に、できれば行って自分の目で見たいと思います。でも心配なのはホテル代です。おそらく信じられないほど高騰するのではないでしょうか? また、7年後に自分の足腰が移動に耐えられるかも気がかりです。
でも良い目標ができました。夢を持てるのは良いことです。 今から頑張って節約して資金を確保し、足腰も鍛えておこうと思います。 東京に住む人のお宅に泊めてもらうため、今から急に友人作りをしたら厚かましいでしょうか?
抗肥満薬セチリスタット
(オブリーン)・・・脂肪吸収阻害作用・・・
肥満を抑える新しい薬が開発されました。オブリーン(セチリスタット)という名前で、食品の脂肪分の吸収を抑える効果があり、体重とコレステロール、血糖値などに効果を期待できます。
脂肪分が体に吸収される際に、脂肪を分解する酵素(リパーゼ)が必要だそうですが、この薬剤はそれを阻害するため、食べても吸収しきれない脂肪がそのまま便に出るという機序だそうです。
(優れた点)・・・安全性を期待できる・・・
脂肪分の摂り過ぎは、代謝経路を介して血糖値に影響します。糖分を懸命に制限しても、脂肪によって意外に血糖値が上昇する傾向は以前から指摘されています。食欲を我慢することなく吸収を制御できれば、楽にダイエットし、血糖値を始めとする種々の指標を改善することができ、健康につながる可能性はあるはずです。
従来の抗肥満薬サノレックス(マジンドール)は、脳に作用する薬で向精神薬か麻薬に近い性格を持ち、様々な副作用が懸念されるため、使用対象者や投与期間にも制限がありました。でも、この薬は腸管で作用する分だけ安全性が高いと思われます。
飲み薬の理想は、体に吸収される量が最小限で、必要な場所だけに作用することですが、この薬の場合は腸の中だけで効いてくれれば良いので、腸から薬の成分が吸収されにくい点は良い点です。
(懸念される副作用)・・・副作用もありうる・・・
ただ、当然ながら吸収阻害による副作用は気になります。特に脂溶性ビタミンへの影響は大事でしょう。ひどく吸収を疎外したら、体重は減ったがビタミン不足で体調をこわし、点滴を必要とするような事態も考えられます。
また、吸収されなかった脂肪分によって、下痢など便の性状が変化することも予想されます。ただの軟便ではなく、滑らかな性状の便になりうると書かれています。
さらには大腸癌の発生に影響しないかも心配な点です。腸内環境の変化は、発癌の危険因子だからです。発癌性の問題がはっきりしない間は、当院での試用は控えようと思います。今のところ類似薬のゼニカル(オルリスタット)に関する報告では、明らかに癌が増える傾向はないようです(BMJ2013;347:f5039)。
(薬の強さ)・・・強い薬ではない・・・
薬の強さには疑問もあります。おそらく個人差が相当あるでしょうが、平均すると1年間飲んでも体重は2〜3%しか減っていないというデータがあり、その程度で薬と言えるのかは疑問です。そのため、平成25年11月の審議会では保険医薬品への収載が保留になりました。
さらに、開発時点で糖尿病や脂質異常がない方は調査対象としていないので、例えば高血圧しかない方は太っていても対象にならない可能性があります。 おそらく最も飲みたいと願うであろう若い娘さんが、ただスリムになりたいからと飲むのは、健康保険では認められないだろうと思います。
(ゼニカル)・・・個人輸入は可能・・・
類似薬ゼニカル(オルリスタット)は日本では承認されていませんが、欧米では発売されています。日本で承認されていないのは商業的事情らしく、製薬会社の力関係や認可する側の思惑など、特殊な事情によると思います。著しく害が多いといった医学的理由はないでしょうが、個人輸入の場合は品質の確保、副作用への対応に危険を伴うと思われます。
平成25年11月診療所便りより・・・(2013.11.30up)