「イスラム国」の報道で気分が落ち込んでしまった方がおられます。残虐な事件、解決が難しい問題に相対すると誰でも気が沈みますが、嵩じると精神病に近い病態が生じるのかもしれません。
報道の受け方に注意すべきでしょう。悪いニュースの時にテレビを切るのも、精神衛生を考えると良い方法です。気分転換、発想を変えることも望まれます。 
解決が難しい難題に対しては、再発予防を原則として対処に徹するのが原則です。問題を考え続けて精神に影響させるような状況を避けることは大事です。 
さらに加えれば、事件への恐怖を利用して自分の野心を果たそうとする連中に用心することも重要かもしれません。     


 マイナンバー   

秋からマイナンバー制度が始まります。法律でそうなったのですが、知らないうちに決まっていたと感じる方が多いのではないでしょうか? 当初は住民票、年金と税金関係の番号をまとめたようなものだそうです。    
この制度により、役所の事務手続きが簡単になると期待されます。書類が減って、何かを申請する際に便利になりそうですし、無駄な事務担当者も減らせるでしょう。個人の識別、確認が簡単になって、成りすましや脱税などの違法行為の防止にも役立つかも知れません。ただし実際はどうか分かりません。結局は本人確認のための手続きに辟易する場面が多いかも知れません。  

推測に過ぎませんが、制度が悪用される可能性はあります。情報管理が簡素化されるということは、情報を盗み悪用することも簡単になるはずです。 既に先行している欧米のドラマでよく見るのは、役所の端末をこっそり覗き、それを糸口に個人情報を盗む手法です。ローンの金額、買い物の記録、病気の情況なども調べる手がかりが得られますから、プライバシーを侵害されかねません。 

制度を悪用する人は必ず出てくると推定し、番号を不用意に他人に明かさないことが大事です。現金取引に関わる一般業者はもちろん、役人と名乗る人物でさえ、本当に番号を教えないといけないのか疑うような、非常に慎重な考え方をしたほうが良いと思います。
おそらく、いかなる情況でも役所以外で番号を人に教える必要はないはずです。 また、情報は記録され拡散しますので、情報が税金関係に限定されている最初の時期から番号を守らないと、後で厳重にしても遅いでしょう。 
役所の人間にも人間関係や個人的な事情はありますから、必要以上の個人情報を得て、例えば業者に情報を売るといった行為が発生するかも知れません。 親切そうに部屋に入ってきた人や、手続きに必要だからとか、自分が公的な人間だと偽って情報を狙う人物に騙されないようにすることも大事です。    

やがては健康保険証も統合する予定だそうです。本当にそうなると、金銭の動きと健康状態が一目瞭然になります。管理上、病院の受付方法は問題になるでしょう。受付のパソコン画面に番号を表示すると、写真を撮られる可能性がありますし、カルテに記録するのも危険です。覗き込んでも見えないようにする工夫、写真を撮られない、コピーできない工夫も必要になると思います。 
受付端末の担当者が席を外したら直ぐに画面が消えないといけません。また、無線を使う通信方法は禁止されるべきです。光ファイバーやルーターといった機械、装置やコンピュータソフト、IT業者の素性の管理も必要でしょう。そもそも病院の職員には、情報管理に関する高い倫理意識が要求されるでしょう。  

番号が書かれたものを忘れたりしたら、困ったことになるかもしれません。 国も他の国を参考にして、情報をどう保護するか検討しているようですが、抜け穴は必ずあり、悪用を狙う人達もいるはずです。まだ具体的な管理方法が国から提示されてはいませんが、今の段階で今までより保険証の情報を厳重に管理すべきと思います。 



   診療所便り 平成27年3月分より・・・・(2015.03.31up)