マグネシウム 

マグネシウムは元素のひとつです。地球上の元素の12−13%を占めるほど多量に存在し、にがりなどにも含まれています。カルシウムなどより量的にはずっと多い物質です。  マグネシウムが不足すると不整脈や狭心症を起こしやすくなり、逆に多すぎると倦怠感、下痢などの症状が出ます。 便が硬い人にはマグネシウムを含む薬(カマグ、マグラックスなど)が有効ですが、稀には中毒になりますので、定期的な血液検査が必要です。



 薬の飲み方、使い方について 

に関する基本的な心得を述べます。薬を使う上での原則は、病気の性質に合わせることです。  


最初に強い薬を使うべき病気 
リウマチが代表です。リウマチは早期から関節が障害されますので、ゆっくり治療している間に後遺症が残ると言われています。進行を止めることが大事です。ただし、使う薬は免疫を抑制する薬ですので副作用が出る確率は高く、「副作用が軽ければ」という条件付きの方針に過ぎません。整形外科の先生が勧めた薬だからと無理に薬を飲んで倒れてしまった患者さんも何人か経験しましたので、あくまで原則に過ぎないと考えるべきでしょう。


最初は弱い薬を使うべき病気   
高血圧が代表です。下げる目標も大事ですが、下げるスピードにも注意が必要です。急激に血圧を下げると後頭部に痛みが出ることがありますし、ふらつき、立ちくらみを感じる人もいます。腎臓などに影響が出る場合もあります。長いこと血圧が高かった人では慎重に下げたほうが無難でしょう。糖尿病の薬もおおむね同様ですが、血糖値の状態によっては急いでインスリンを使い始めないと命に関わる場合もあります。   


速効性で判断できない薬  
よく効く薬に注意が必要なことがあります。鎮痛剤、風邪薬が代表です。「あの風邪薬は一発で効いた。」という場合は、症状を薬で隠し、周囲に病原体をまき散らしている可能性が高いとも言えます。解熱剤は治癒を遅らせる場合があることも報告されています。 痛み止めは依存性の反応を起こして痛みを誘発することがあります。薬は効かないと意味がありませんが、速効性があるから良い薬とは限りません。  


予防の薬 
喘息の予防薬も自覚できる効果で判断できない薬です。喘息は症状を抑える速攻性のある薬と、発作を予防しコントロールする薬を併用する必要があります。ところが予防薬は効果を直ちに実感することができませんので、患者さん側からは「あの薬は効かないから使わない。」と思われてしまいます。予防薬は発作の回数が減るか程度が軽くなれば効果があるのですが、即効性を自覚できないから効果がないと勘違いしやすい薬です。   


飲みあわせ 
「風邪薬を飲むから血圧の薬を止める。」のは間違いです。慢性疾患の薬は急に中止できません。風邪薬などは血圧の薬とあわせ飲みにならないものを選べば良いのです。  


食事との関係 
何かの理由で絶食する時も、血圧の薬は飲むべきです。食べなくても血圧は上がることが多いからです。いっぽう糖尿病の薬は、食事を抜く時には止めないと血糖値が下がりすぎます。食前に飲まないと効果が出ない薬もあります。薬の吸収や効果の発現に食事が影響するからです。骨粗鬆症の薬の中には副作用防止のために、飲んだ後寝てはいけないという注意があるものもあります。食後でないと胃潰瘍を作りやすい薬もあります。納豆やグレープフルーツなど、特定の食べ物と反応する薬もあります。   


血液中の濃度との関係 
抗生物質は独特です。一定の期間、充分な量を飲まないと菌が生き残りますので、副作用がはっきり出ない限り処方どおり飲みきることが原則です。治ったと自己判断して中途で飲み止めると、病原体を周囲に拡げます。 飲む回数やタイミングも大事です。  「前回の抗生物質が残っていたので飲みました。」という人は、それだけで飲み方を間違っていたことになります。風邪薬とは違うのです。  


副作用への注意  
薬の種類はどんどん増えていきますし、飲み方も複雑になってきます。自己流で飲んだために副作用で倒れることや、少なめに飲んだために害を残す場合もありますので、何か疑問があるときには必ず医療機関で確認するようにしてください。 副作用だと思える症状が出た時には薬局か病院に連絡する必要があります。自分の判断で「当然飲むのを止めるべきだ」と考える患者さんが多いのですが、勘違いであることも多いようです。



平成21年8月 診療所便りより



マグネシウムの補給?