禁煙の効果 



スコットランド地方では、平成18年頃に公共の建物内での禁煙が法律で定められたそうですが、その後2年間で、救急病院を受診する心筋梗塞の患者が激減したと医学誌に報告されました。(N Engl J Med 2008; 359 : 482〜91) 


私はタバコの害は長年かけて現れるはずだと思っていましたので、わずか2年間で変化が現れるとは驚きです。考えていた以上にタバコの害は大きいのかもしれません。喫煙されている方は、ぜひ今年の目標を禁煙にされてはいかがでしょうか。 


タバコの害は強力で、たとえ血圧や糖尿病の治療を完璧にこなしても、これらの治療効果を打ち消し、脳卒中や心筋梗塞などの病気を増やす力があります。さらに癌や肺気腫の発生に影響します。そして、周囲の人にも同様の害を及ぼす可能性があります。  


タバコを吸っていても元気な方は多いのですが、人に害を及ぼす可能性を知りながら喫煙するのは人道に触れます。極端な話、タバコを吸うということは、「俺は人に迷惑がかかっても気にしないよ。」と言っているのと同じだと言うこともできます。そのような人物が何を言っても、信頼されない可能性もあります。


夫は喫煙者だけれど元気で、妻は肺癌になっている家庭がありますが、「私の癌の原因は何ですか?」と聞かれると、嘘は言えないので、「原因は色々で断定はできないものの、タバコも考えられます。」と言わざるをえません。正直なところ、「たぶん御主人のタバコでしょう。」とは思うのですが・・・


「私は煙が人のほうに行かないように注意している。」と思っても、眼に見えない有害物質はどうにもなりません。この世にひとりで生きていられるはずはないので、基本的には禁煙、せめて喫煙所以外では吸わないくらいの考え方をすべきではないでしょうか。