風疹が流行しており、県内でも発症が確認されています。妊婦が感染すると胎児に後遺症を残すことがあるため、妊婦への感染を避ける必要があります。
感染予防のための風疹ワクチンの供給が追いついていませんが、麻疹風疹の混合ワクチンで対処できます。
学生時代に私自身が感染した時は、自分の発疹に気がつきませんでした。発疹やリンパ腺の肥大が軽い時は、普通の風邪と簡単には区別できないようです。そのまま妊婦さんと接触したら怖い結果になりかねませんので、予防策を講じるべきと思います。 


 合 剤  

近年の流行で、数種類の血圧の薬を混ぜた製品が多数発売されています。例えば降圧剤と利尿剤とを混ぜたりします。コレステロールの薬や糖尿病の薬を降圧剤と混ぜた製品もあります。混ぜることによって二個飲む面倒さが減り、支払額も二剤の合計より少し割安になるなどの良い点があります。組み合わせによって降圧作用が急に強くなることもあります。   

悪い点は、合剤が新規の薬として扱われ、値段の安いジェネリック医薬品としての採用が遅れるために、長期的には価格が高止まりしてしまう傾向があること、混ざった薬は分割が難しいので血圧に応じての微調整に困ること、利尿剤が含まれる場合に脱水の副作用を見逃す危険性が増すことなどです。具体的な値段は、下記に実際の薬価を記載しますので、御参照ください。

製薬会社は競って合剤を作りました。合剤で利益が得やすい日本独特の決まりのせいだと思います。もしジェネリック医薬品を二種類混ぜるだけで新しい薬として売り出せるなら、誰でもそうするでしょう。それに近いことが行われています。 
合剤を作らないでおくと、自分の会社の製品が他社のジェネリック製品に取って代わられてしまいますから、作らざるをえないはずです。
結果として多種多様な合剤が販売され、種類が急激に増えて処方を間違いやすい傾向が生じています。患者さんの費用負担を高く留める方向に政府が誘導する点も問題です。  

そもそもジェネリック医薬品の値段は、現状より安くできるはずですが、先発品の6〜7割程度に定められています。そうしている理由は非常に不透明で倫理上の問題も疑われますが、とにかく結果として医療費の節約に逆行しつつも、製薬業界には大きな利益がもたらされています。  

薬の価格の決め方を正せば、これらの問題の大半は軽減されるはずです。でも実際に改正するとなると、製薬会社の収入は減りますし、値段を決める役人の権限も侵害されるので、利権絡みの抵抗があるでしょう。
合剤が一般的になっていますので処方を受けることも多くなります。もし処方を受けたら、負担額や調節の仕方について確認されたほうが良いと思います。   

当院ではプレミネント錠とミカムロAP錠という製品を使っています。両方とも降圧効果が強く、処方薬を減らす効果を実感できます。値段が高めなのは気になりますが、飲む面倒と効果のバランスを考えると良い薬だと思います。    

合剤の例(値段は平成25年度の時点で)   
降圧剤  アムロジン錠5ミリ   約 58円
@   
脂質の薬 リピトール錠10ミリ  約114円
A 
            @とAの合計172円 
合剤   カデュエット配合錠4番 約148円
つまり、単品の価格の合計より、合剤の価格は24円割安  

それぞれのジェネリック品   
アムロジンでは   約30円
B、  
リピトールで   約77円
C、 BとCの合計107円。
つまり、ジェネリック品のほうが、合剤よりさらに41円安い。
  

    


   診療所便り平成25年6月分より(2013.06.30up)









ジューン・ブライド 私達も
合剤も分割できない・・よね?