新年おめでとうございます。本年もどうぞ当院を御利用ください。
年末年始は、テレビの見過ぎで目が疲れなかったでしょうか? 昨年、子供の近視はアトロピン点眼液(散瞳剤)で進行を遅らせられるという研究が発表されました。昔から知られていた現象だそうです。たしかに有効かも知れませんが、根本的な治療ではないと思います。 
当前のことですが、まず目を保護することが大事ですから、テレビの視聴やゲームは制限すべきでしょう。今の若い人は、延々とゲーム機、スマホなどをいじってますが、あれは目に良いはずがありません。サーバ側や機械の側から時間を制限するくらいの規制が、本当は望ましいと思います。 
  


  栄養ドリンクの効果     

(健康への影響) 栄養ドリンクにはカフェインやビタミン、糖分などが含まれ、気分的なものかも知れませんが、飲むと元気が出るように感じます。 栄養ドリンクが健康に与える影響に関して発表がありました{JAMA.2015;314(19):2079-2082}。
この統計では血圧を上げる傾向が認められましたので、健康に良いとは考えない方が良さそうです。ただし、具体的に何か病気を起こすか、寿命を短くするかについては分かりません。 
栄養ドリンクにも色々あります。エナジードリンクといった言い方をする商品もあります。でも、実質的な違いは明確ではありません。法規制を逃れるために、呼称を考えただけの可能性もあります。  

(ドリンクの種類) 国内で購入可能な商品が何種類あるのか知りません。薬局やホームセンターなどには有名な商品と外見が酷似したドリンクが並んでおり、数百種あるかも知れません。製品ごとの違いも不明です。
法律では第二種類医薬品、第三種類医薬品、医薬部外品の三種類に各商品が分別されています。この分類は瓶の箱に記載されているはずです。この分類は行政に役立つのかも知れませんが、消費者にとって意味があるかは疑問に思います。危険度や効能の評価など、一般人が理解しやすい分類も考えたらどうかと思います。価格は様々で、一本数千円するものも珍しくないようです。   

(生薬) 生薬配合を謳っている商品があります。値段が高めのものに多いようです。生薬成分は漢方薬の成分と共通していますので、もしかすると漢方薬を飲んだほうが安上がりではないか、また体質や体調による調整も必要ではないかと思いますが、漢方薬製品にはドリンクほどの宣伝力がないせいか、そう考える人は少ないようです。
漢方の考え方から言えば、体質や体調によって生薬の配合を変えるべきですので、一様にドリンクに混ぜるのは邪道と思います。
   

(カフェイン含有量)ドリンクを飲み過ぎると眠れなくなったりします。理由はカフェインの含有量が多いからかも知れません。含有量で言えばカフェイン20〜150mg程度にほとんどの商品が収まり、これはお茶やコーヒーの通常摂取量と比較して特別多いものではないものの、濃度から言えば高めです。したがって、摂取量には用心する必要があります。カフェインがらみと思える中毒死の例もあるようです。 
よほど高容量の摂取をされたり、または幼少時の摂取でないなら、中毒はめったに発生しないよう量に一定の規制はされています。ただし海外の製品には、もっと含有量の多い商品もあり、購入も可能です。カフェインは眠りの質やリズムに影響し、二次的な作用で循環器系に影響すると思われます。 

(糖分)  糖分が問題になることもあります。糖尿病の方はジュースと同様、原則は飲むべきではありません。味付けが工夫してあって結構美味しいので、量が少ないこともあって、ついつい飲み過ぎになりがちなことも気をつけないといけません。 ドラッグストアの入り口近くに箱単位で置いてあり、しかも特価!などと表示してあると、まとめ買いして大量摂取につながりやすい点が気になります。  
連用しないなら、大きな問題はないかも知れません。たまにはファイト一発、気合いを入れるべき時もあると思います。
  



   診療所便り 平成28年1月分より・・・(2016.01.31up)