アマリール
アマリールは糖尿病の薬です。当院でも多くの方に処方しています。アマリールには0.5ミリ錠、1ミリ錠、3ミリ錠の3剤形があります。単に「アマリール一個ください。」と言って含有量の違う錠剤を飲んだ場合は、効きが悪くなるか、もしくは激しい低血糖を起こす可能性があり、注意が必要です。
糖尿病の薬ですから非常に微妙な調節を必要としますので、錠剤を割ったりして細かく調整しております。
当院は薬の処方間違いを避けるために、定期で薬を処方する前に確認を5回繰り返しています。それでも「朝2錠、昼半錠、夜一錠」などの区別を繰り返していると間違う可能性があります。私達が間違わなくても、患者さんが間違うかも知れません。処方する以上、間違ったら患者さんのせいとは言えません。間違えにくい工夫をすべきです。
さきほど述べましたように、含有量が異なる製剤がある場合は特に危険で、原則として薬剤庫に同じ名前で含有量が違う薬剤は最初から置かないほうが安全です。また、値段の高い薬を使い続けるのは、患者さんの負担や保険組合の財政事情を無視することでもあります。そこで今後はアマリールを0.5ミリ錠、成分と添加剤が同じ後発品の「グリメピリド」を1ミリ錠として使い分けようと思います。
「グリメピリド」という全く違う薬を導入するという意味ではありません。グリメピリド錠とアマリール錠の主成分は同じで、作る会社と製法が違うだけです。ただし、だから全く同じ薬とも言えません。解りにくい話ですが、製法が違うことで微妙な品質、強さの違いが生じるかもしれません。それがないように、一流メーカーで市販後調査をやっている会社の製品を選ぶこと、添加剤が同じ製品を選ぶこと、同じ会社の他の製品に問題がないか等を検討するなどをやっております。
当院では今後、含有量で言えばアマリール2錠がグリメピリド1錠に相当するようになるわけです。 含有量が少ないアマリールを残すので、こだわる人には錠数を増やすことで対応できます。
後発品と言っても添加剤が同じ一流メーカーの品ですので、副作用は発生しないはずです。 薬剤を後発品に移行させるのは国の方針です。薬を勝手に変えるのは許しがたいと感じられるかも知れませんが、保険組合の財政を考えるとジェネリック医薬品への移行は国民としての務めに近い状況です。好みの問題ではすみません。 薬剤名を分けることで処方ミスを予防する意味もありますので、ぜひ御協力お願いします。
実際にグリメピリド錠を導入するのは、購入しようとしている製品が全国に流通して副作用の報告が出ないか確認してからにしますので、時期は未定です。
診療所便り 平成23年1月より・・・(2011.01.31up)