往診用のエコー装置を購入しました。胆石、虫垂炎(盲腸)などは、触るだけの診察では診断に限界があります。エコーで内部を観察することで、ずっと正確に判定できます。お腹が痛い時の診療のレベルが上がるでしょう。  また、頚部エコーの器材も新調しましたので、甲状腺や頚動脈狭窄の評価もレベルが上がるはずです。右図のような血管の状況も把握できます。


 口腔内崩壊錠 

膀胱の薬ベシケア錠を、ベシケアOD錠に替えます。OD錠の成分は元のベシケアと同じで、ただ溶けやすくなるだけです。   

OD、またはDの記号が付くのは口の中で溶けることを意味します。ソーダのような味がつけてありますから、口の中で溶けても苦味で飲めない心配はありません。 水なしで飲める、喉に詰まりにくいなどの理由で、嚥下機能が低下した高齢者には向きます。

OD錠を作ることで、会社が自社の製品に患者さんを繋ぎとめようという意図も見えます。病院には製薬会社の営業部員達が、さかんにOD錠を売り込んで来ます。そのため、例えばベシケア錠を処方しても、薬局のほうからOD錠に変更するように要請されることが増えました。

営業上の意図は当院には関係ありませんが、危険を防止するためには変更が必要です。ベシケア錠に限らず、血圧、胃の薬にもOD錠が多数販売されてきましたので、普通の錠剤と混在したままでは間違いが起こる可能性があり、OD錠に一本化する必要性が出てきました。薬屋に乗せられるようでシャクにさわりますが、安全管理は大事です。血圧の薬も徐々にOD錠への変更が必要になるかもしれません。   

OD錠の欠点は、製品にもよりますが、多少水分を吸収しやすい傾向があり、保護シートから外して分包した状態では吸湿して溶け出したり、変性したりする危険性があることです。シートから外した状態での保管場所の湿度には注意が必要です。少し軟らかいので、財布などに入れたままにしておくと、潰れて剤形を保てない可能性もあります。 






 診療所便り平成23年7月分より   (2011.07.31up)