糖尿病クイズ
このクイズは糖尿病患者の会の勉強用に作成したものです。
平成18年2月16日 橋本泰嘉
以下の文章について、内容が正しいものには〇、間違いには×を記入して下さい。豪華賞品(?)を目指して、頑張って下さい。
(問題1)
糖尿病の食事療法の基本はカロリーを制限することにあり、なるべく食事の量を減らすために、数日に1食くらいは抜くことが必要である。〇?×?
(解答1)
栄養のバランスや、各々の栄養素の配分も重要ですが、カロリーが高すぎると肥満をきたし薬が効きにくくなるなどの問題がありますので、適正なカロリーであることは食事療法の基本です。ただし単に制限すればいいというものではありません。制限しすぎると、当然ですが体調に悪影響がありますし、精神的にも無理がかかります。やりすぎて耐え切れなくて反動でかえって病状が悪化することは稀ではありません。不要な栄養はもちろん減らさなければなりませんので、医師や栄養士と相談しながら適切なカロリーを守るように心がけて下さい。
また、食事を抜くと思わぬ害があります。1日3食が絶対ではありませんが、薬を使っている人の場合は絶食すると低血糖を起こす危険性が高くなりますし、血糖値の変動も激しくなります。したがって「量は適切に、ただし絶食はしない」という方針でお願いします。答えは×です。
(問題2)
食品交換表の1単位は80キロカロリーに相当する。交換表は1単位80キロカロリーに相当する食品の重さを書いた表である。〇?×?
(解答2)
この文章の通りです。食品の熱量の単位は、カロリーで表します。一般に何カロリーというのは、正しくは何キロカロリーです。食品交換表では、たまたま80キロカロリーで重さとしての区切りが良い食材が多かったことから1単位を80キロカロリーに定めました。このおかげで計算する時の数字が小さくなって便利です。外国では何百何十キロカロリーという計算をしていて面倒だと聞きます。答えは〇です。
(問題3)
食品交換表で、ごはんの1単位は80グラムである。一食に3単位とるように指導された人は、1食に240グラム取るべきである。〇?×?
(解答3)
この問題はひっかけ問題です。間違えたりしていないでしょうか。ご飯の1単位は以前55グラムでしたが、今の食品交換表では50グラムに減っています。80という数字は、1単位のカロリーが80キロカロリーでした。1食の主食(表1)の量を3単位に指定されている人は多いと思いますが、120〜160グラムではなかったでしょうか? 1食240グラムではおかしいと気がつかなければなりません。答えはXです。
(問題4)
食品交換表の表2の果物は毎食1単位、1日合計で3単位食べるべきである。〇?×?
(解答4)
この文章もひっかけです。実際にこのように勘違いして食べていた患者さんもおられました。表2の果物は1日で1単位です。果物はビタミンやミネラルの補給のために必要ですが、糖分も吸収が早いものが多く、1日3単位だとおそらく高血糖になるでしょう。また、腎臓が悪くてミネラルのバランスが狂ってしまうような場合は1単位の中でも内容の調整が必要な事もあります。標準的指示表では、例えば1800キロカロリー以上食べる患者さんの場合でも、ほとんどは表2を1単位までに指示されているようです。(若い方で、稀には2単位にする人もいますが、3単位を指示されることはは通常ありません。)答えはXです。
(問題5)
リンゴはダイエットに最適で便通にも効果的なので、毎日2個以上は食べるべきである。〇?×?
(解答5)
リンゴは1個で約2単位に相当します。2個だと3〜4単位に相当します。リンゴはいい食品ですが、リンゴだけで3単位以上取ってしまうと、栄養のバランスの面では良くありません。ひところリンゴダイエットが流行しましたが、長期間続ければ栄養バランスの面で体に無理をするのではないかと思います。答えはXです。
(問題6)
卵1個は1単位に相当する。牛乳200ccも1単位に相当するので、これらを交換して食べてよい。〇?×?
(解答6)
これはちょっと難しい問題かもしれません。卵は、よほど大きくない限り1個で1単位くらいですが、牛乳の1単位は120ミリリットルでした。牛乳パック1個200ミリリットルでは1.7単位で、1単位ではありません。牛乳は1日に180ミリリットル取ることが勧められていますが、ほとんどの人は200ミリリットルでもいいと思います。低脂肪牛乳が最近はよく売り出されていますが、これだと160ミリリットルで1単位に相当しますので、240〜250ミリリットルくらい飲んでいいことになります。また、乳製品と卵は交換表の分類も違いますので、厳密には交換は好ましくないかと思われます。答えはXです。
(問題7)
糖質を制限すべき糖尿病患者では、表1(糖質)は可能な限り0単位に近くして、かわりに表3(蛋白質)の食品を多く取った方がいい。
〇?×?
(解答7)
糖質と言っても砂糖という意味ではありません。砂糖はもちろん制限したほうがいいのですが、糖質にも必要量があって、まったく取らないのでは無理があります。もし仮にそのような食事をすると、エネルギー不足になってしまいます。最近ある患者さんが体験談で糖質の極端な制限をして効果があったことを本にしていますが、一般的に勧めて良いものか現時点では分っていません。長年の日本人の食生活から大きく外れないような食事療法を目指したほうが無難であると私は思います。それに、現実に糖質を全く含まない食事は作れません。ご飯やパンやイモは、体が活動(動くという意味ではなく、生きていくという意味)するのに必要です。無理な制限はいけません。表1に属する糖質(お米、パン、芋、かぼちゃなど)は、必要な量を確保することが大事です。答えは×です。
(問題8)
カボチャ、レンコンはごはんと同じく表1の食品なので、カボチャ、レンコンを食べる時は、ごはんを交換して減らさなければならない。〇?×?
(解答8)
これらは野菜ですが、表1の仲間でした。ご飯と同じ仲間として計算する必要があります。ただしあまり極端に制限すべきではありません。ビタミンを多く含んだ食品ですので、量に注意しながら積極的に食べたほうが良いと思います。カボチャの90グラムとレンコン120グラムはご飯の50グラムと交換すべきです。実際の交換法は、調理の前にこれらの野菜全体の単位を測って人数分で割ったり、解りやすい大きさに切って個数で調節したり、好みのやり方でよいと思います。答えは〇です。
(問題9)
低血糖の発作の時に口に入れるには、あめ玉よりブドウ糖がよい。〇?×?
(解答9)
ブドウ糖が一般に出回るようになったので、現在は低血糖の時はブドウ糖が最も望ましいと思います。吸収が早いことと、ベイスンを飲んでいる人でも使えるからです。ベイスン、グルコバイ、セイブルを飲んでいる患者さんでも、実際にはお砂糖で結構回復する場合があるようですが、せっかくならブドウ糖のほうが確実です。しかも今は無料で提供されます。あめ玉では、溶けるのにも吸収されるのにも時間がかかって、その間に低血糖で脳がやられてしまったり、回復した後に血糖が上がり過ぎたりします。すみやかに効くことが大事ですので、あめ玉は使わないようにして下さい。1回に取るべきブドウ糖の量は、あまり明確な検討がされているわけではありませんが、5〜10グラムを勧めている本が多いようです。答えは〇です。
(問題10)
低血糖の時には、冷や汗が出たり、手が震えたり、目がかすんだりすることがある。〇?×?
(解答10)
低血糖の症状は様々です。動悸、目のかすみ、手のふるえ、口のしびれ、冷汗、激しい空腹感などが代表的なものですが、中には吐き気や意識障害、変なことを話す、意味のない行動をするなどの症状が出ることもあります。食事を抜いたとき、食事が遅れたとき、食事内容が非常に低カロリーだった時などは血糖値が下がりやすいので注意が必要です。頻繁にあることではないのですが、血糖値を下げる薬を使っている人では血糖値が下がりすぎる可能性は常にあります。食事療法だけの人には、まず起こりません。答えは〇です。
(問題11)
低血糖を昼食の前に繰り返す人は、医者と相談して表1か表2などを午前中に間食してもよい。〇?×?
(解答11)
間食はほとんどの人にはいい効果をもたらしませんが、薬と食事時間のバランスをとりにくい職場にいらっしゃる人の場合は、血糖値を安定化させるために間食(補食)を必要とすることがあります。ただし、医者と相談することを忘れてはいけません。間食が必要なのは、主にインスリンを使っている人です。経験上、食パンはいたみにくく、ラップにくるめば持ち運びも簡単で便利だと思います。他に、牛乳や果物でうまくやっている人もおられます。表1か2にこだわる必要はありませんが、お菓子にあたるものは望ましくないと思います。外国ではクラッカーを勧めていますが、せっかくならお菓子以外の方がいいと思います。
同じ考え方で、カロリーの制限が必要な場合は、分割食を取ってもらうこともあります。分割食というのは、本来の1食分を2回に分けてもらうことです。1回の食事の量が減ることで、血糖が安定することがあります。また、夕食前に低血糖を繰り返すなら、午後に間食を回せばよいことになります。答えは〇です。
(問題12)
アルコール(酒)はカロリーが高いので、飲んだ時は表1と交換し、ご飯を減らさなければならない。〇?×?
(解答12)
アルコールは嗜好品(しこうひん)で、表1のご飯とは栄養の中身が違う食品です。食品交換は、表の同じ仲間の間だけでやるべきですので、ご飯とアルコールは交換できません。ご飯を減らせば、ご飯で取るはずだったビタミンやアミノ酸が不足することになります。カロリーだけを合わせても、栄養素のバランスがこわれては良くありません。アルコールのカロリーは高く、血糖値を上げる薬とも言えますので、原則として禁酒しないと血糖コントロールは難しくなります。答えはXです。
(問題13)
アルコールには、血糖を肝臓にとどめ血糖値を一時的に下げる効果があるが、長期的には血糖を上げることが多い。〇?×?
(解答13)
アルコールには確かに血糖値を一時的に下げる作用があります。また、消化液の分泌を促す作用もあるようです。これを利用して食欲を出す食前酒という習慣がありますが、ガツガツ食べたくなりますので糖尿病の方には勧められないでしょう。またアルコールは長期間で見れば血糖を上げてしまう作用がありますので、糖尿病のコントロールを目指すなら禁酒しないとうまくいかないことが多いと感じます。しかも一時的に血糖が下がった間に薬の作用時間が重なる場合には低血糖を起こすこともありえますので、血糖降下剤を飲んでいる人の場合は原則として禁酒が必要です。答えは〇です。
(問題14)
ビールや日本酒はカロリーが高いので糖尿病には好ましくない。ウイスキーや焼酎は血糖値を上げないので、糖尿病患者が飲んでも血糖値に影響はない。〇?×?
(解答14)
今のところ、酒の種類によって糖尿病に特別に好ましい影響があるというデータがありません。カロリーを比較しますと、ビール小缶350mlで140Cal。焼酎1/2合で約130Cal位で、同じ量なら濃度の高い焼酎のほうが高カロリーになりますが、そもそもアルコール自体カロリーが高く、代謝に無理をかける一種の薬品と言えますので、そんな比較をするより、内臓の負担を減らすためには酒類はすべてやめるべきでしょう。また、ワインのポリフェノールがいいといっても、糖尿病患者にもいいかというようなことについては、全く統計がありません。厳しいようですが、糖尿病患者にとっては酒類はすべて害があると考えてもらうべきだと思います。答えはXです。
(問題15)
卵にはコレステロールが多く含まれるので、糖尿病の人は食べるのを禁止すべきである。〇?×?
(解答15)
コレステロールを制限する必要がある方は、患者さんの4〜5割以上もいらっしゃいますが、現在のところ卵を全く食べないようにといった指導はされていません。毎日食べていた方は、1日おきくらいに減らしてもらう事はあります。バターなど、その他にコレステロールを多く含む食品を大量に取られる方の場合は、もしかすると禁止せざるをえない場合もあるかも知れませんが、通常は禁止ではなく減量で充分です。答えはXです。
(問題16)
高コレステロールの状態は動脈硬化を進め、心筋梗塞の発生を増やすが、治療によって発生率を下げることはできる。〇?×?
(解答16)
多すぎるコレステロールは血管にたまりやすくなります。これが変化して動脈硬化が起こると言われています。食事や薬でコレステロールを下げることができると、若干ですが血管が広くなったり、詰まりにくくなることが証明されています。閉経前の女性については統計がありませんので分りませんが、それこのため、心筋梗塞の発生率、再発率が下がることや、寿命が延びることが統計の結果明らかになってきました。答えは〇です。
(問題17)
牛乳には栄養(特に骨を強くするカルシウム)が多く、また便通にも効果的なので、骨の弱い糖尿病患者の場合は朝昼夕に各々200ミリリットルは飲むべきである。〇?×?
(解答17)
実はこのようにされている患者さんは結構おられます。テレビで骨そしょう症の予防のために牛乳をたくさん飲むように勧められたからだそうです。牛乳は1日に180〜200ミリリットル、1.5単位が適量といわれています。毎食ごとに飲んでいては多すぎます。カルシウムが不足しがちな食事をされている方は、小魚などを増やすことで対応できると思います。牛乳にはタンパクやカルシウム以外に脂肪や糖分も含まれていますので、多く取りすぎるとカロリーの取りすぎになってしまいます。血糖やコレステロールも上がることが多いようです。答えはXです。
(問題18)
糖尿病患者は1食に100グラムの野菜を食べることが望ましい。冬場に野菜が少ないときは、食物繊維を補うために高菜づけなどの繊維の多い漬け物をたくさん食べるべきである。〇?×?
(解答18)
一般的に、漬け物は可能なかぎり制限した方がいいと思います。食物繊維を取るためにつけ物を食べようとしても、取れる繊維の量には限界があります。塩分の取りすぎによる害のほうが多いでしょう。冬場でも白菜やモヤシは安定した価格で買えることが多いし、最近は季節物でなくても手にいるようになりましたので、冬場の野菜に困ることは少ないでしょう。ご飯が残っても、漬け物を加えることで食べてしまおうとすることはやめてください。もったいなくても、冷凍すれば捨てなくて済みます。答えは×です。
(問題19)
食物繊維には、食事のボリュームを増やし栄養吸収のスピードを調節する働きがある。〇?×?
(解答19)
食物繊維は、それだけでは栄養にはならないのですが、第六の栄養素などと言えるほど大事なはたらきをします。それ自身が腸から吸収されないために、他の栄養素が吸収されるスピードを遅らす効果があります。さらに食物のボリュームを増やし、便を軟らかくすることができます。また、腸内細菌の正常な生育にも食物繊維が必要だと言われていますが、腸内細菌が正常でないと様々な害があることは癌の発生や便通の面でさかんに言われていることです。もし食物繊維が不足すると、食べたものがすぐ吸収されて、血糖値は食後急激に上がります。内臓にはこれが非常に負担になります。答えは〇です。
(問題20)
塩分は一般に可能な限り少なくしたほうが良いので、うす味に慣れるために、酢やレモン、みりん、だし汁などを利用するとよい。〇?×?
(解答20)
一般にこの文章の通りに指導されています。みりんについては大量に使うと問題かもしれません。病院のつゆものは、塩分を少なくしても味がそこそこあるように上手に工夫されています。「病院食は味がなくてつまらんかった。」とおっしゃる方は、普段は相当に塩分の多い食事を食べていると考えていいでしょう。家でも砂糖や塩、しょうゆを多用しないような工夫が望まれます。一気に変えると家庭内で喧嘩になりますが、徐々にでも塩分を減らすように工夫すべきです。血圧の治療をしている場合は特に強力な制限をしないと薬が効かなくなっていきます。だし汁をじょうずに使っている病院食は良いお手本だと思います。答えは〇です。
(問題21)
ラーメン屋で食べるラーメンは、1杯5〜9単位に相当する。汁は塩分を多く含むので飲まないようにするべきである。〇?×?
(解答21)
外食のカロリーの問題です。おおまかに、どんぶりものは700キロカロリー(7〜10単位)うどん、そば類が400キロカロリー(4〜6単位)くらいだそうです。熊本のラーメンはスープを入れると相当なカロリーかもしれません。答えは〇です。
(問題22)
食堂のカレーライスは、1皿7〜9単位に相当する。タンパク質が不足するので、トンカツなどをつけるべきである。〇?×?
(解答22)
カレーライスのカロリーは600〜700キロカロリーで、7〜9単位に相当します。私が食べるカレーは、確かにご飯とカレールーばかりで、たまに具を見つけるとうれしくなるような情けない安物がほとんどですが、一般にカレーやピラフは蛋白やビタミン、食物繊維が不足し油が多すぎる傾向があります。従って昔から牛乳を添えたりする習慣もありました。トンカツですが、トンカツ自体が相当のカロリーがありますので1食でとるべきカロリーを超えてしまうでしょう。もし可能なら、カツの衣を除くことで油と小麦粉の分の1〜2単位くらい減量できますし、ごはんを残せば少しは普通の食事に近づくかもしれません。とは申しても衣が美味しいんですけど。答えは×です。
(問題23)
植物油はコレステロールを下げる効果があるので、なるべくたくさん使ったほうがいい。〇?×?
(解答23)
植物からとった油は、動物性の油よりコレステロールの含有量が低い特徴があります。重さ100グラムあたりで比較すると、大豆油1mgに対してバター210mgと、大変な違いです。カロリーについてはあまり差がないようですが、差がないというのは植物性も動物性も両方高いという意味で、健康のためには量を制限した方がいいでしょう。1日の量の目安は大匙1杯(10グラム)です。2000キロカロリーくらい食べてもらう若い方には1日20グラムくらいを指導される教室があるようですが、今は油の多い食品がただでさえ多いので、10グラムが望ましいと個人的には考えます。見かけはそうでなくても、油をたくさん含む食品にも気をつけましょう。ばら肉、ベーコン、ピーナッツ、ポテトチップスなどが代表です。答えはXです。
(問題24)
豚肉には油分が多いので、鳥肉に変えたほうがよい。特にコラーゲンを含む手羽先は最も血糖値への影響が少ない。〇?×?
(解答24)
豚肉はあぶらが多いような印象がありますが、最近は鶏肉でもほとんどが鶏舎で飼ったために、もともと脂が多いことや、例えば鳥の手羽先やもも肉の場合は皮を一緒に食べますので皮下の脂を多くとることになるのに対し、豚肉は脂肪を残して料理したり、食べるときに油を残すことさえあります。そのため、豚と鳥肉のカロリーは差がないか、逆に鳥肉のほうが高カロリーである事もあります。動物の種類を限ることは必要ありません。鳥のささみの場合は80グラムで1単位と、一般の肉類の中では最もカロリーが低いものになりますが、同じ鳥のもも肉では皮を含んだ場合は40グラムで1単位、皮を含まない場合は60グラムで1単位と、脂身の量で相当にカロリーの違いがあります。食品交換表を繰り返し読んで、カロリーに関する認識をたかめましょう。答えはXです。
(問題25)
肺炎の薬を飲む間は、薬の飲み合わせの危険があるので、糖尿病の薬は中止した方が良い。〇?×?
(解答25)
実は肺炎の時にある種の飲み薬を中止してもらうことは確かにあります。でも飲み合わせを心配して簡単に中止することは非常に危険で、それによって状態が悪くなる可能性のほうが高いと思います。これは風邪の時も同じです。糖尿病患者さんが重症の肺炎になった場合は、入院して急変に備えるとともに、抗生物質とインスリンを使うべきです。みるみる敗血症がひどくなって亡くなってしまう方が少なくありません。抗生物質の効き方も鈍くなりがちです。軽症の場合は外来で治療できることもありますが、血糖値に変化がないこと、食欲が充分なこと、毎日でも受診できることなどが条件になります。普段と血糖値に変わりがなければ、糖尿病の薬は続けなければなりません。飲み合わせは、抗生物質を選んでもらえば問題ないと言っていいほどめったにおこりません。飲み合わせが心配な方は、原則通り入院して短期間はインスリン注射に切り替えるほうが安全です。答えは×です。
さて以上の問題で、どれくらい正解しましたか? 賞品はありませんでした。あしからず。