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8月10日からの豪雨で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
当院も少しですが、浸水被害を受けました。多くの方に心のこもった激励やお見舞いの品をいただき、深く感謝しております。しばらくは薬を手渡すだけの診療内容でしたが、お陰さまで休診することなく、診療を続けることができました。
今後も皆様の期待を裏切らないよう、使命を果たす努力を続けます。
   


 抗肥満薬の比較

肥満の是正は難しいものです。食事を制限しても、思ったほどは痩せられません。抗肥満薬が流行するのも当然です。発売されている抗肥満薬を比較した発表がありました(New Engl J Med 2025;393:26-36)。   

マンジャロとウゴービという薬を比較したところ、1年半後にマンジャロは20%、ウゴービは13.7%体重が減っていました。腹囲も、それぞれ18cmと13cm減っています。両者とも有効で、マンジャロのほうがより効果的と言えそうです。   

この研究にはマンジャロを作る製薬会社が協賛していますので、頭から信用することはできません。ただしライバル会社の製品が効くことは証明されたと言えるでしょう。最大限に近い量で試験していますので、通常の量ではこれほどの効果は得られないと思います。  

この種の薬を使う場合は膵炎や消化器症状に用心する必要があります。かなり怖い‘劇薬’です。     


 マイクロプラスチックの含有量  


フランスから面白い発表がありました。飲料水に含まれるマイクロプラスチックの含有量は、ペットボトル製品よりもガラス瓶製品のほうが多かったそうです(https://doi.org/10.1016/j.jfea.2025.107719)。

おそらく、ビンの蓋か洗い方に問題があると思われます。フランス製の天然水を飲む時は、容器に注意すべきかも知れません。  

マイクロプラスチックを飲んでも、ほとんどは便に出ると言われています。大気中から吸い込んだ場合も、痰でかなり出るはずですが、血中に入って動脈硬化に影響することはありえます。血管の壁に沈着したプラスチックを証明した論文もあります。  

実験動物に大量のマイクロプラスチックを投与すると代謝障害を起こすことが知られており、腸管の機能に悪影響はありえます。可能な限り、摂取量は少なくしたほうが良いでしょう。  

ではボトルじゃなく水道水なら大丈夫かと言えば、水道は既にPFASに汚染されているかも知れません。PFASかマイクロプラスチックのいずれを選ぶか、究極の選択をせねばならない時代なのかもしれません。 
 

   



診療所便り 令和7年9月分より・・・(2025.08.31 up)