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10月からインフルエンザワクチンとコロナワクチンの定期接種が始まります。 
高齢者には市から費用補助の案内が来ると思いますので、内容を確認してから電話でお申し込みください。持病のない若い方は、接種費用補助の対象外です。  
過去にワクチン接種で害が出た方は、無理に接種する必要はありません。接種の意味は、感染した時の重症化率を下げることです。感染予防効果が充分あるとは言えませんので、マスクなどによる予防を怠ることはできません。
2歳から18歳の方は、鼻に噴霧するインフルエンザワクチン「フルミスト」が使えるようになる予定です。注射の苦痛から逃れることができます


 糖尿病薬と認知症の関係 

糖尿病薬の中に、SGLT2阻害薬とDPP4阻害薬という2種類の薬剤があります。これらを使われている方達が認知症を発症する率を比較した論文が韓国から発表されました。

統計の結果、SGLT2阻害薬を飲む方は、年間で1万人中22人が認知症を発症し、DPP4阻害薬を飲む方は1万人中35人が発症と、かなり大きな差が出ていました。認知症の原因が異なるはずのアルツハイマー型、脳血管性認知症のいずれも、SGLT2阻害剤のほうが発症率は低めでした。  

SGLT2阻害薬は、主に血糖を尿中に排泄させる薬です。DPP4阻害薬は、膵臓に働いてインスリンの分泌を助ける薬です。両者とも認知症に対する効果を狙った薬ではありません。なぜ違いが出たのか、理由は分かりません。血糖を下げる強さや体重への影響の違いかも知れません。   

糖尿病の薬は他にもありますので、他の薬とはどう違うのか、そして糖尿病のない方の認知症予防にもSGLT2阻害薬が有効なのか、疑問がいろいろ出てきますが、そういったことも全く分かりません。誰にでもSGLT2阻害薬を処方するのは、おそらく間違いです。でも、優先的に選ぶ理由のひとつにはなりそうです。   
    


 薬代の自己負担に関して 

10月から薬代の会計の規則が変わります。当院に限れば影響が少ないはずですが、大きな病院で薬をもらわれる方や、院外処方箋を使って薬局で薬をもらわれる方は、薬代の自己負担金が増えるかも知れません。  

今回の改定は医療費を減らす目的で、先発医薬品を使う方に、ジェネリック医薬品との差額を請求するという内容です。差額分を患者さんに負担させ、なるべくジェネリック医薬品に誘導するという考え方です。患者さん側は、ボッタクリに遭ったような気がするかも知れません。病院の利益が増えるわけではありません。   

当院では湿布薬の「モーラステープL」が査定の対象になると思います。値段が安めの湿布が他にありますので、できれば変更してください。院内の飲み薬では、改定分の負担金を請求されることはないと思います。

大きな病院や処方箋薬局は薬の種類が多い関係で、かなりが査定の対象になると思います。計算方法はやや複雑ですので、領収書を見ても意味が分からないまま、金だけ取られて困惑されるかも知れません。  

個人的には妙な改定だと思います。窓口での混乱が予想され、制度として無理を感じます。会計に時間がかかり、ミスも増えるでしょう。医療費節減効果も限定的ではないかと思います。

処方間違いを防止するために、わざわざ先発品を残す工夫をしていたのが台無しになります。ミスを誘発しかねないルール改定ですので、困ったことになります。しかし国の定めたルールなので、従わざるを得ません。自由に薬を選べる時代ではなくなったようです。      



診療所便り 令和6年10月分より・・・(2024.09.30up)