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コロナワクチンについては、製剤の流通が不安定であることと、若者が接種に消極的な傾向が明らかになっています。コロナ対策に関する政府や自治体への信頼度も、非常に下がった印象を受けます。  
若者の間では、ワクチンの恐怖を煽るデマ情報が広がっているそうです。このままでは接種が進まず、集団として免疫が不十分な状態が続き、感染はくすぶり続けます。 
接種には副反応を伴うため、無理強いはできません。死者を減らし、社会活動を正常化するため接種して下さいと訴えても、納得を得るには限界があるでしょう。
個々人の責任で感染を避け続けるしかないのかもしれません。  
集団としての抵抗力を持つためには、副反応への不安を減らす必要があります。国産のワクチンができれば、ひょっとして若者たちの認識が変わって、接種に前向きになってくれるかも知れません。
  
 


 健康アプリと個人情報  

今日、スマホを健康管理に使う人は珍しくありません。歩数計、血圧や脈拍の記録から、アプリを使った検査データの分析なども利用可能だそうです。

オーストラリアの研究者が、グーグル・プレイストアで利用可能なアプリの情報管理について分析しています(BMJ2021;373:n1248)。   

検討された健康アプリの88%は、潜在的に個人データを収集することが可能でした。実際に個人データを利用して何かを売ったり、情報を誰かに漏らしたりしたわけではないと思いますが、そうすることが仕組みとしては可能でした。  

23%のアプリは、安全とは言い難い方法で通信されているそうですから、その気になれば第三者がデータを閲覧することも可能と思われます。また、28%のアプリは個人情報保護に関する方針が不明確でした。情報管理を確認せずに利用しているなら、実際に情報が漏れても、利用者が開発者に情報管理を任せる意志があった、したがって自業自得だと判定されるかも知れません。   

いっぽうで、ユーザー評価で情報管理に関して問題提起されていたのは1.3%にすぎず、危険性や問題点が利用者の間で認識されておらず、怖さが伝わっていない可能性が考えられます。   

ただし、現時点で実際に大規模な悪用が報告されているわけではないようですから、直ちにアプリの利用を止める必要はないかも知れません。  

ネットで買い物すると便利ですが、変な広告が送られてくることも増えます。国家的に個人情報を集める地域がある今日、よほど厳重な管理をしない限り、情報は漏れ出るもの、第三者が閲覧するものと考えないといけません。国外の閲覧者に、日本の法律は効力が及ばないはずです。  

自分が同意したつもりがなくても、こちらのデータを利用して利益を得る人はいるはずですので、便利さには怖さを伴うことを認識しないといけません。   
 
 
 
 


 コロナワクチンの優先接種順位  

コロナワクチン接種の順番は、まず医療従事者、次に老健施設入居者となりました。でも外で活動する人を先にしたほうが、感染抑制のためには合理的な気もします。ただし飲み屋街をうろつく若者が、実際にワクチン接種を受けてくれるとも思えず、実効性はないかも知れません。 

職場での接種も有効と思われます。会社に所属する人達は活発に活動し、ウイルスの伝播に関わっていると思われますので、その方達の感染率を下げれば、社会全体の流行を一気に抑えられるかも知れません。 

抑制のスピード、効率は大事です。流行の源になる人達を後回しにし、流行らせたままの状態で接種してしまったと考えると、私達は間違った順番で接種した可能性があります。 

もしワクチンの本数に限度がある場合、効率よく命を救うために誰を優先すべきかは、人権も絡んだ難しい問題です。正しい優先順位は、まだ分かっていません。多くの国が似たような順番で接種したので、比較できないからです。 

米国の一般人に対し、各々が考える優先順位を尋ねたアンケートの結果が報告されています(JAMA Network Open.2021:e217943)。

医療従事者を優先することについては、90%以上の方が賛同しています。そして8割近い人達が、マイノリティを優先することに同意しています。コロナによって、より大きな影響を受けたからだそうです。

教師や保育士、食品労働者を優先すべきと考えた人も9割前後いました。社会活動の維持のために重要な職業だからと思います。日本での実際の接種順位とは、この分野に関しては意識が違うようです。  

高齢者は、自分達を優先することを、若者よりも望んでいないようです。それは騎士道精神によるものか、人と接触する機会が少ないことから、自分たちは感染リスクが低いと考えてかも知れません。自分たちを優先するよう希望していないことには感心します。米国独特の宗教的観念の影響も考えられます。 

コロナウイルスのパンデミックは、国によっては収束傾向にあります。日本も、時間はかかりそうですが、感染をコントロールできる日が来るでしょう。でも、パンデミックはまたやって来ると思います。効率の良いワクチン接種を計画しておかなければなりません。

備えは必要です。ウイルスの性格や、ワクチンの特性、生産量などに応じて臨機応変に対応する必要があります。ウイルスの性格によっては、優先順位も変わって来るはずです。単純に年齢で分けるよりも、職種、外出の機会、行動範囲などを勘案した計画が望ましい気がします。
  



診療所便り 令和3年8月分より・・・(2021.07.31up)