コロナ感染者の届け出方法が変わりました。保健所に報告する義務がある対象者は、一定の条件を満たす人だけに限定されています。   
自分で抗原検査をして陽性と分かったら、保健所に連絡することになっています。でも、どこにも連絡しない方がいますので、発表される感染者数は、もはや参考値に過ぎません。   
感染者が勝手な判断で行動しないといいですが、症状が軽ければ、普段通りの活動をする人がいるかも知れません。個々人のモラルに頼るしかない状況です。 
            


 食事と認知症予防  

認知症を予防する食事として、地中海型の料理が推奨されています。地中海食は魚介類、ナッツ類、オリーブ油などを使い、不飽和脂肪酸やポリフェノールが豊富で、動脈硬化の予防に有効であり、認知症予防にも効きそうです。 

スウェーデンでの調査結果が発表されました(Neurology DOI:10.1212/ WNL.0000000000201336)。アルツハイマー型、脳血管型認知症とも、その発症率に関しては、特に食事内容の影響を受けていないという結果でした。  

一般的な感覚では、魚や果物が豊富な食事は、肉ばかりの料理より健康的で、心臓病予防、脳血管や認知機能にも有効そうなイメージがあります。脳血管性の認知症は、理屈から考えると減りそうです。この結果は意外でした。もう食事に気をつけるのは止めるべきでしょうか? 

この調査には限界があります。あくまでアンケートに基づく調査ですし、今はテレビなどで健康に関する注意が毎日のように耳に入る時代ですので、おそらく北欧の人でも小さい頃から食事内容に関する情報の影響を受けているはずで、意識せずとも健康に良い食事を摂っていて、地中海食との差が大きく出なかっただけかも知れません。禁煙や運動の習慣など、他の要因が大きく働いて、食事の効果をマスクしてしまった可能性もあります。 

それに人種の違い、日本食を試していないなど、私達には適合しない点も多いので、今日から健康食をいっさい止めて暴飲暴食に走るような極端なことは、避けたほうが良いと思います。

         

 自分で検査するコロナ抗原 

コロナの抗原検査は、鼻の奥に自分で棒を突っ込んで、説明書に従って判定することができます。検査キットは薬局やスーパーに売ってあり、配布もされているようです。  
本人が実施する抗原検査の有効性を検討した論文が、オランダから発表されています(BMJ 2022;378:e071215)。およその判定率は、鼻の奥で検査した場合、PCRと比べて70~79%程度、鼻と喉の奥の両方の場合で83%だったと書かれています。 

ただし使われた検査キットは、日本で出回っている商品とは違うようです。キットにも研究用、医療用、外国製、高い物、安い物、様々な種類があります。性能に違いはあるはずです。 

検査するタイミングも大事で、早すぎるとウイルスを検出できず、陰性になってしまいます。棒の使い方も重要で、鼻の穴は曲がっていますから、自分で入れるのが難しい場合もあります。 うまく入れられなければ、やはり陰性になります。 

そもそも比較の対象となったPCR検査が万能の方法ではありません。実際にはPCRによっても、感染者の8~9割くらいしか把握できていない可能性があります。さらにその7~8割の陽性率となると、かなりの見逃し(偽陰性)はあるはずです。  

でも、もし早く判定できれば、家族や職場に連絡して、感染を拡げないように対処することも可能です。いっぽうで相当数の方が偽陰性となって、知らずに感染を拡げてしまう可能性もあります。キットの限界を理解したうえで、利用すると良いでしょう。  

数年前まではPCRとか抗原検査と言っても、何のことか分からない方がほとんどだったはずです。今は誰でも検査キットを買えるようになりましたが、これを技術が進んだと喜ぶべきか、もしくは妙な時代になったと言うべきか、どちらでしょう?  
 




診療所便り 令和4年11月分より・・・(2022.10.31 up)  

   



 
          

 

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