野菜の値段が下がらないのは不思議です。昨年の秋以降、天候はまずまず安定していて作物は取れそうでした。採れた作物が価格の高い大都市に運ばれたのか、まさかTSMCが畑を減らした関係でしょうか?
物価も全体に上がって、燃料価格、人出不足などが関係するあらゆる分野に及んでいます。旅館の宿泊費も高くなっています。海外のお客さんしか宿泊できない時代が来るかもしれません。
もしそうなったら、それなりに対処するしかありません。素泊まりで予約して、食事は料理屋を利用するなどは合理的方法と思います。
レジャーも考えないといけません。価格が比較的安定している食材を焼いて、バーベキュー気分を味わうなど、方法はあるでしょう。
かなり情けないだろうとは思いますが、急激な価格変動に対しては、知恵をしぼって対抗するしかありません。
災害の備えに関して
地震の時期を予言している人がいます。本人が準備するために予測するのは良いでしょうが、不安をあおられてパニックを起こす人もいるでしょうから、迷惑な話だと思います。ただし災害への備えは必要です。万が一の避難所生活、水道や電気、物流の障害に対処できるようにすべきです。
医薬品に関しては、現時点でも生産不足の影響で流通が不安定な状態です。災害が発生したら、よりいっそう入手困難になるでしょう。血圧や血糖、心臓の薬などは少し予備を残すべきと思います。
政府は規則を優先するので、予備の薬を持つなど許さんとばかり、処方制限の圧力をかけます。ひと月に出せる薬の量は規定されていて、正月だからとか遠方の方だからといった言い訳は認められません。
大災害が起これば、政府が頼りなので文句は言えませんが、公的支援では業者の利益が優先され、被災者には基本は我慢しろという姿勢が感じられます。いざ困った状態になっても、薬がないことで政府が責任を取ってくれるようなことは期待できません。
備えは必要です。不正にならない程度の予備薬を残しましょう。
カロナール(アセトアミノフェン)
インフルエンザやコロナに感染した場合の解熱鎮痛剤は、カロナールにすることがほとんどです。ロキソニンなどの鎮痛剤ではケイレンを起こす危険性が高まると言われています。
最近は癌の痛みや関節痛でも、最初はカロナールを使うように推奨されています。 カロナールは強力な薬ではないため、効かないと言われる人もおられますが、酷い副作用は避ける必要があり、解熱鎮痛の第一選択薬と言えます。
ただし、副作用の心配がないわけではありません。イギリスの統計が発表され、胃潰瘍や下血、腎臓の障害などについては危険度を上げることが報告されました(10.1002/Arthritis Care Research 25471)。
実際の副作用の発生率自体は低いもので、下血の発生などは年間3%以下です。長期に連用しないなら、ほとんどの方は副作用なしで済むでしょう。でも、安易に使って問題がないとも言えないようです。
一般には「カロナールは安全な薬」という認識があります。でも、それは比較的そうだという事を忘れてはいけません。肺炎の場合、解熱剤を使った人のほうが経過は良くないという統計結果があります。熱を下げて患者さんを殺していたケースもあると思われますので、「熱があるのに、どうして解熱しないの?」とは考えないようにせねばなりません。
使わないで体を冷やす、水分を補うといった対処法を基本とし、頭痛が酷い、熱性痙攣を起こす子供であるといった理由があれば、やむなく薬で解熱するという考え方を基本にすべきと思います。
診療所便り 令和7年2月分より・・・(2025.01.31 up)