診療規則が変わりすが、今年6月時点で生活習慣病以外の診療に変更はなく、狭心症や喘息などは今まで通りの治療が可能です。
ただし、徐々に胃薬やビタミン剤などへの制限が強まっていて、処方が認められなくなりつつあります。湿布や皮膚のクリームも同様で、病院ではなく薬店や通販で買えと誘導するのが国の方針のようです。
でも紅麹サプリメントの例もあり、市販薬には注意が必要です。機能性表示食品という区分けを作ったことが、国の姿勢、考え方を表しています。安全性を後回しにする姿勢には疑問を感じます。 
   


 血圧、血糖、脂質の診療ルール 

6月からの診療規則では、政府が規定する文書を取り交わさないと、生活習慣病(血圧、糖尿病、中性脂肪、コレステロールの異常など)の診療代が認められなくなります。料金なしでは病院を維持できませんので、申し訳ありませんが、国の方針に同意をお願いします。 

文書にサインするのが嫌な方は、料金なしで診てくれる病院を探すか、健康保険料を使わないで自費で薬をもらうしかありません。でも料金なしで維持できる病院は逆に怪しいですし、健康保険を使わないと全額自己負担になります。つまり、実質的にサインを強制されています。 

今までも規制はたくさんあり、患者さんが希望されるまま薬を処方すると、薬代を病院に請求されることは頻繁にありました。眠り薬は月末に追加の処方を認められませんでしたし、胃カメラをしないで胃薬を出すと認められないなど、かなり強引な査定を受けています。

今後は規制がどんどん多くなってくると思います。検査した記録、文書のサインなども管理が厳しくなり、「調子がいいから検査なしで、薬だけお願い。」といった患者側の都合は認められなくなりそうです。 

今回の改定の理由は明らかではありません。生活習慣病の管理を強化した試験はいろいろ発表されていますが、寿命を延ばす効果は必ずしも証明されていません。よって今回も、煩雑な手続きをやったが、何も効果はなかったという結論になる可能性はあります。その場合、責任はどうなるのでしょうか? 

そもそも効果をどのように判定する予定なのか、評価の流れが公表されていないので、意味や有効性に疑問を感じながら命令に従わないといけない状態です。まるで、戦時中の「インパール作戦」の兵士になったかのようです。 

作戦を成功させるためには、根拠や狙い、全体の流れを明示すべきと思います。今回の改定は、発表される資料を見る限り、単なる役人の業績狙いの可能性も疑われます。ただし、診療内容を文書化し、病院と患者で方針を確認し合うこと、それ自体は悪いことではないと思います。    



 禁煙による発癌予防効果  

禁煙すると癌の発生率が下がることは分かっていますが、その効果がいつから出て、どの程度続くのかは知りませんでした。
韓国で大規模な研究が行われ、禁煙の10年後に大きな効果が表れると発表されました{JAMA Network Open.2024;7(2):e2354958}。  

内容を読むと、たしかに禁煙直後から効果が出るわけではなかったようです。禁煙した時点で悪いものが新たに入らなくなるから、もう安心・・・というのは甘い考えでした。  

一般に癌細胞がかなり増えるまでは診断が難しいので、実は喫煙中に癌が発生していても、禁煙した後に見つかる可能性はあります。また禁煙後も体に残存する発癌物質が、禁煙の後に悪さをする可能性もあります。それらの影響から逃れて、喫煙者と禁煙した人の差が明らかになり、禁煙の効果が認められるまでが10年のようです。

10年もかかるとは意外でした。10年かかるなら、寿命も知れているし、オレはタバコを続けよう・・・そう考える人がいるかも知れません。でも15年後の発症率が、喫煙を続けた人の20%台まで下がる癌もあるようですので、とても大きな違いになります。

御自分が10年生きるか15年生きるか予想しても、当たるかどうか分かりません。予測で決めたりせず、少しでも危険度を下げ、癌にならないで生き抜くことを考えるべきと思います。頑張り続ければ成果は期待できそうです。




診療所便り 令和6年5月分より・・・(2024.04.30up)  



 
          

 

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