健康保険証の有効期限が切れる方は、受診の際にマイナンバーカード、もしくは「資格確認書」を御提示ください。
提出がなくても、お顔の確認などによってほとんどの場合は診療できますが、会計が面倒になるかも知れません。 しばらくは通信障害や登録ミス、遅れなどのトラブルも予想されます。
マイナンバーカード事業には多額の予算がかかりましたが、保険証が持つ安定性や便利さは失われるはずです。予算を使って不便になるなんて、バカバカしい気がします。今さらですが、年金や税金の管理のためだけにカードの機能を限定すべきではなかったかと思います。
薬の流通に関して
このままでは薬を事前に用意することができません。本当なら常に次の感染症や災害に備えて準備する必要がありますが、今の処方さえ満足にできない始末です。冬場に風邪の患者さんが来院された時に、薬を処方できずに我慢してもらうしかない事態を怖れています。
話題になっているお米の流通とは少し事情が違うはずですが、政府の方針が関係しているのは同じと思います。 薬を減らして医療費を抑制する狙いがあるのか、もしくは単なる無策、失敗なのか分かりませんが、いずれにせよ役所が失敗を認めるとは思えないため、解決は難しいようです。選挙に影響する問題ではないからと、政府内部であまり問題視されていないのかも知れません。
喘息や狭心症は命に関わる病気なので、事態は深刻です。本来ならば役人が大勢クビになる、省庁が統廃合、大臣が罷免になるくらいの問題だと思います。喘息の薬「レルベア」、胃薬の「ムコスタ錠」などを代替えとして用意しました。品不足は今後もより深刻になっていくでしょうが、可能な限り対処していきます。
フォシーガ錠の問題点
糖尿病と心不全、慢性腎臓病への適応を持つ「フォシーガ錠」を当院は採用しています。しかし、通常量では心不全の予防効果が低いという報告{JAMA Intern Med 2025;185;(3):302-313}が出て、製薬元からも多めに処方するように注意書きが来ました。
心不全に効かないという意味ではありません。同じ系統の他の薬と比較すると弱めだっただけです。でも多めに処方すると薬代が高くなりますので、使いづらくなりました。他の薬に変更せざるを得ないと思います。同じ系統の「ジャディアンス」と「スーグラ」という薬を用意しています。病状に応じて、どちらかに移行して行けるはずです。
この系統の薬は流行りの商品ですので、安易に使われ過ぎる傾向があります。心不全に対する基礎的薬剤を充分に使わず、この薬を処方されている例も見かけます。順番としては、歴史があって価格も安い旧来の利尿剤を処方した後に追加する形が正しいと思います。
今後も新しい報告が出るはずです。当院としては、薬の値段の推移や今後の海外のデータを確認しながら、漸次対応していきたいと思います。
診療所便り 令和7年7月分より・・・(2025.06.30 up)