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世界各地で火山が噴火したり、洪水で大勢の方が亡くなったニュースを見ました。同様のことは珍しくないとは思いますが、今年は特に印象に残っています。南海トラフ地震がどうなるのかも気になります。私だけかも知れませんが、どうも災害に対して敏感になり、いつも微妙な不安感が付きまとっている気がします。  
まったく気にしないで呑気に過ごすのも、噂に影響されて気にし過ぎるのも良くないと思います。 皆さまはいかがでしょうか?  
   


 コロナワクチンの意義 

東京大学の先生がコロナワクチンに関して発表し、ニュースにもなりました(東京大学プレスリリース5月22日)。それによると、もしワクチン導入が三か月早かったら、2021年のコロナによる死者を14000人から7000人程度に減らせた可能性があり、逆に三か月遅れたら、さらに2万人以上が亡くなっていたかもしれないそうです。  

この数値は数理モデルを用いた試算ですので、あくまで可能性を示したに過ぎません。そもそも統計で使われた死者数に疑問があります。不安を煽りたくないといった理由で、死因をコロナ感染以外だと恣意的に判定した例があったかも知れません。また、ワクチン接種で亡くなっているのに、立場上の思惑によって認定に至らなかった方もいたと思います。国の統計が信用できないと、試算の意義も分からなくなります。 

当院はファイザー、モデルナ社のコロナワクチンの接種を積極的にはお勧めしませんでした。両社のワクチンは新しいタイプの製品で、添加剤にはポリエチレングリコールなどが使用されていました。ポリエチレングリコールは怖い物質で、実験で使うもののイメージがあります。おそらく、副作用に関係していたはずです。  

新規の製品の場合、使用経験がないわけですから、推奨すべきか否かの判断は難しいものです。社会生活の維持のため、緊急で使わざるを得ない初期段階を除き、速やかに安全性の高い製品に移行すべきと考えます。 

コロナ対策を振り返ってみると、より安全な不活化ワクチンの開発が遅れたことが一番の反省点だと思います。次の感染症に対して、速やかに国産ワクチンを作る体制作りが必要です。それで死者数が変わって来るからです。     


 抗血小板剤の今後  


心血管の病気で「ステント」を入れてもらった後は、バイアスピリンという薬が処方されます。バイアスピリンは抗血小板作用を持つ薬剤で、血をサラサラにする効果があります。過去の統計で、飲まれた方の経過が良いのと、薬の値段が安いので処方が推奨されています。  

バイアスピリンと同じく、血をサラサラにする薬は他にもあります。クロピドグレル、プラスグレル、チカグレルなどが販売されています。それらを比較したところ、バイアスピリン以外の薬のほうが効果は強く、副作用も問題にならなかったという統計が出ました(BMJ2025;389:e082561)。   

この種の研究は多数実施されており、ひとつの報告だけで治療指針を変えるべきではありませんが、バイアスピリンにこだわる根拠は、あまりないのかも知れません。ただし、効果や副作用の発生率の推移をグラフで見ると、差は非常に微妙なもので、統計の取り方によっては、やはりバイアスピリンのほうが安全と言えなくもない印象は受けます。

バイアスピリン以外の薬の問題点は、価格が高めなこと、人によって効果に差が出る場合もあることです。海外と同じ量を処方すると出血症状が出ることもあり、量に注意する必要もあります。出血は悲惨な結果を招きますので、医師の独断ではなく、治療指針に従う必要があります。指針の変化を見守りたいと思います。    




診療所便り 令和7年8月分より・・・(2025.07.31 up)