交通事故や近隣とのトラブルを示談でまとめた話はよく聞きます。でも、タレントの不祥事で示談の後に大騒ぎになったことから考えると、示談は最終的な決定ではないようです。
当事者間が示談で決着しても、第三者が介入して再びもめる可能性が残るとは、今回の騒動がなければ知らないことでした。怖い話です。不祥事のおかげで学ぶことができました。
ただし、騒ぎ方が過剰な印象も受けました。会社の隠蔽行為は暴くべきでしょうが、当事者たちの権利を侵害していなかったのか、気になります。
フォシーガ錠による糖尿病の悪化予防
糖尿病の緩快(悪化予防)効果が検討されました(BMJ2025;388:e081820)。使わなかった方達の28%は血糖値が悪化したのに対し、使った方達は44%がコントロールを維持できました。
対象者は既に糖尿病と診断された方達でしたが、病状の悪化を予防できたということは、おそらく健常者からの発症予防にも効果を期待できそうな印象を受けます。
この結果はもともと期待されていたものでした。フォシーガ錠は内臓の負担を減らすため、慢性心不全、慢性腎臓病の方にも、条件付きですが処方が認められています。 それぞれの病状悪化を予防する効果が確認されているからです。
フォシーガ錠の欠点は、脱水の危険度が上がることや、皮膚や腎臓、尿路に害を及ぼす可能性があることです。誰にでも効くとは限らず、かえって血糖値が上昇する方もいます。
ダークチョコによる糖尿病予防
ダークチョコは、原料のカカオマスの含有率が高いチョコを意味しますが、具体的に何%以上という定義はないそうです。ブラックチョコという表現もあって、それぞれが商品名になっているため、ダークチョコ、ブラックチョコと思っていても、実はカカオマスの含有量の少ない製品を買っている可能性があります。
ダークチョコに糖尿病の予防効果があるのではという話は、以前から度々発表されて来ましたが、結果は一定しませんでした。中国の看護師を対象にした統計が発表されました(BMJ2024:387:e078386)。それによると、ダークチョコを多く摂取した人のほうが、食べなかった人よりも2割くらい糖尿病発症が少なかったそうです。いっぽうミルクチョコには効果がなく、体重が増える傾向もあったようです。
この結果は、そのまま鵜呑みはできません。2割減ったといっても、グラフを見ると個人差が相当あり、正確ではなさそうです。ダークチョコの定義が不明確な点も、評価を難しくします。
カカオに含まれるポリフェノールが代謝を良い方向に変える可能性はあると思います。あるいは苦みに慣れることで、他の甘いものの摂取量が減る効果があったのかも知れません。甘いものは、砂糖が入ってなくても甘みに慣れてしまう弊害がありますので、考えられます。
少なくともミルクチョコを買うのは、健康面を考えるなら避けるべきでしょう。ダークチョコにも糖は入っています。発症してしまった糖尿病患者さんは、糖質摂取量の計算を難しくするため、おそらく食べないほうが良いと思います。
診療所便り 令和7年3月分より・・・(2025.02.28 up)